太陽光発電を導入するか、それともしないか?

私、大村(設計)の自宅が築13年を迎えました。当初、一生懸命に考え抜いた我が家をご紹介します。アイキャッチ画像のイメージでお分かりいただけるかと思います。

基本的には大満足しているのですが、避けて通れない「ああ、こうしていればよかった」「こんなふうにすれば良かった」という後悔の念が消えることはありません。これは、時間が経つごとに考え方が変わるのが自然でしょう。

当時の家づくりで、ひとつ選択したことがあります。「太陽光発電を設置する?それとも無し?」という点です。私は結局「設置しない」ことに決めました。その理由は、高い費用、限られた予算、採算性の問題、そして外観の自由さを保ちたいという点でした。

当時、太陽光発電はまだ一般的でなく、パネルの価格も高く、発電効率も低かったため、当時の判断は間違ってはいなかったはずです。

しかしながら、時は流れて太陽光発電は広まり、パネル価格は下がり、発電効率は向上し、売電価格も32円/kWhの時代(2014年)に到達しました。「太陽光発電は収益性あり!」という声が広まりました。当時、お客様に太陽光発電を自信を持って勧めつつ、自分自身の家にはそのシステムを取り付けられないことを後悔しました。

「でも後からでも太陽光発電は取り付けられるんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに可能ですが、条件があります。太陽光発電に最適な屋根の形は、①南向きの勾配のある屋根、②屋根勾配が30度程度などです。しかし、南向きでなくても、緩やかな勾配でも構わないこともあります。

ところが、私の家の場合、屋根の種類が規格と異なり、勾配も45度(10寸)だったため、太陽光発電の設置が不可能でした。なぜ南向きの片流れ屋根にしなかったのか、その選択を悔やむばかりです。

太陽光発電に適した屋根のイメージ

私の後悔から、お客様一人一人に太陽光発電の提案をするように心がけるようになりました。

そして、現在計画中の建売住宅の外観をご紹介します。南向き片流れの大きな屋根が特徴です。こちらには400Wの太陽光パネルを30枚設置でき、合計12kWの発電能力を持ちます。

外観を損なうことなく太陽光発電を提案することを心がけています。以下がこの建物の太陽光発電のシミュレーション結果です。

太陽光発電のシミュレーション

簡単に言うと、10年で投資額を回収し、その後はプラス収益となります。パネルには40年間の製品保証があり、出力も保証されているため、40年でみると、初期投資額を差し引いて446万円の収益が見込まれます。

驚くべきことですね。リスクはほとんどないと言えるでしょう。

そして、現在に至るまで。電気料金が高騰していることに気付かれたことでしょうか?電気料金単価は上昇しており、特に「燃料費調整単価」の上昇が大きな影響を与えています。

燃料費調達単価の推移

コロナだけでなく、ウクライナ情勢も私たちの暮らしに大きな影響を及ぼすことがあることを示しています。価格がどんどん上昇し、過去1年半で10.6円も単価が上昇しました。電力の使用量に応じて支払う料金も増えていくことでしょう。

私が家を建てた13年前と比べて、省エネの意識は日本全体で非常に高まっています。無駄な電力の使用を避け、LED照明や省エネ機器を利用することは浸透してきました。しかしこの流れに適切に対応するためにはそれだけでは不十分です。なぜなら、日本は火力燃料(原油、液化天然ガス、石炭)を持たない国だからです。国際情勢の影響を受けやすく、どれだけ国内で努力しても、影響を受け続ける可能性があるからです。

現在、太陽光発電による電力の製造単価は、電力会社から買う価格よりも大幅に低いです。太陽光発電は火力発電よりも経済的に電力を生み出せるのです。しかも太陽のエネルギーは無料で手に入ります。運搬する必要もありません。

さきほどのシミュレーションには「燃料費調整単価」は含まれていませんが、さらに経済的な効果をもたらすでしょう。

「太陽光発電を導入するか、それともしないか?」

これから家を建てる方には、後悔のない選択をしていただきたいと願っています。私たちの会社では、太陽光発電を成功させるための方法を多く蓄積しており、実際に導入いただいたお客様からも高い満足を得ています。

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